『まつちやましょうてん』と読みます。妻沼(めぬま)聖天(埼玉)、生駒聖天(奈良)と共に、日本三大聖天の一つです。『聖天』とは『大聖歓喜天』の略で、像の頭を持つ夫婦の姿をしており、その男女が抱き合うストレートな表現から、縁結びや夫婦和合、子授けの御利益があると云われています。

　また、聖天（男天）はもともとインドではガネーシャと呼ばれており、財福を司る神様でした。このため金運向上や商売繁盛などにもご利益があります。

　待乳山聖天の境内には、あちこちに大根や巾着をモチーフにした飾りがあります。これはそれぞれ「夫婦和合」「商売繁盛」の功徳を表しています。

　大根は聖天の持物で身体を丈夫にし、良縁を成就し、夫婦に和合をもたらす象徴です。また巾着は富や財宝を表しています。

　この二つの功徳にあやかれるのが、「大根」「巾着」絵馬です。絵馬といっても実は小さなお守りで、通常の願いを書いて願を掛ける絵馬とは異なっています。二枚一セットなのでどちらか片方の好みのほうだけというわけにはいかないようですが、せっかくですのでどちらもお願いしてしまいましょう。

　ただ、個人的には大根は二股であってほしかったな～と思います。聖天の持物は本来二股の大根で、待乳山聖天の境内にあるシンボルも、大根は二股になっています。

　何より二股で絡んでいる図案の方が、ちょっとエロティックでご利益がもっとありそうな気がしますし……。